旭川美術館だより『氷華』No.64

 このたび北海道立旭川美術館の「旭川美術館だより『氷華』No.64」に私のインタビュー記事が掲載されました。

 学芸課長の佐藤由美加氏が私の工房に来てくださり、長時間のインタビューを通して、作品のこと、仕事のこと、諸々まとめていただきました。

 記事はこちらのリンクからご覧頂けます▶hyoka_64.pdf (hokkaido.lg.jp)

 


 

 私がまだ20代のころ、北海道立美術館主催で開催された「箱で考えるーあそびの木箱展」でグランプリをいただきました。受賞もさることながら、そのとき初めて訪れた札幌がとても印象に残っています。私のキャリアの中では若干特殊な位置づけの展覧会ではある一方で、私の仕事の幅を広げ、本来の木工藝の仕事にも大いに影響を与えてくれた意義ある展覧会でした。

 実はこの展覧会にノミネートしてくださったのが故秋岡芳夫先生でした。秋岡先生が亡くなられてからずいぶん経ち、若い方はご存じない方も多いでしょう。本来の工業デザイナーとしても時代を画すような大変な実績を上げられていますが、その反面、手作りの木工の世界にも大変興味と理解を持っていた方でした。今木工道具の解説書として私が一番信頼している「木工具・使用法」(創元社刊)の復刻は先生のご尽力の賜物です。

 受賞作は美術館所蔵となり、その後できた旭川美術館へと移りました。ご存じの通り旭川は家具・木工の町として有名で、旭川美術館の収蔵の大きな柱は木工作品です。父の作品や黒田辰秋の作品も収蔵されていて、時々木工作品の特集展示も企画されます。そんなご縁でこの度記事にしていただきました。

 また4月23日から6月6日まで開館40周年記念「『木の造形』クロニクル」展が開かれています。私の作品も陳列されるようです。お近くの方は是非お出かけください。