工芸・Kôgeiの創造―人間国宝展―2026年春

銀座和光で例年通り「工芸の創造、人間国宝展」が開催されます。

 

「工芸・Kōgeiの創造 ―人間国宝展ー」

場所 銀座和光6階セイコーハウスホール

日時 4月3日(金)~19日(日)11:00~19:00 入場無料

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今回は「献保梨拭漆卓」と小ぶりの垂撥を出品いたします。

卓は會津八一が唐招提寺をうたった「おほでらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ」に触発され、若い時に見た唐招提寺の思い出と共に制作いたしました。脚に唐招提寺の列柱を思わせるエンタシスを取り入れ、歌の感動を形にしたつもりです。桜の季節の銀座へお越しください。

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NHK日曜美術館50周年展

NHKで放映中の日曜美術館がこの度50周年を迎え、東京藝大美術館にて記念展が開かれています。2500回に及ぶ放送では、ピカソから火焔式縄文土器まであらゆる美術分野の作品が紹介されてきましたが、今展はその中から120点余を陳列しています。工芸関係の作品は多くはないのですが、その中に私の作品が選ばれて出陳していますのでご案内いたします。会期が大変長く、前期後期に分かれています。

 

「NHK日曜美術館50周年展」

場所 東京藝術大学美術館(上野公園内)

会期 前期3月28日(土)~5月10日(日)10:00~17:00

   後期5月12日(火)~6月21日(日)

NHK日曜美術館50年展|2026年3月28日(土)~6月21日(日)|東京藝術大学大学美術館

 

前期には「楓嵌装小箪笥『阿売乃宇美丹』」、後期には「黒柿拭漆小箪笥」が陳列されます。

「楓嵌装小箪笥『阿売乃宇美丹』」は柿本人麻呂の「天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」題を採った作品で、コロナ禍の最中、仕事に没頭して制作したことを思い出します。「葦手」のようにこの和歌の言葉を形象化して作品に散りばめました。

「黒柿拭漆小箪笥」は第41回日本伝統工芸展で受賞した作品で、出品20年目にして初めて受賞した、こちらも思い出深い作品です。

 

制作背景や時代も様々な作品の中に置かれた拙作が鑑賞者にどのように映るのかも興味深いところです。ご高覧頂ければ幸いに存じます。

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2026年・新年の挨拶

あけましておめでとうございます。

我が家のお正月飾りは聖徳太子のお軸の前に亡父の玄翁(げんのう)と指金(さしがね)を飾ります。聖徳太子はその昔に法隆寺を建てたという言い伝えから、大工、木工関係者の崇敬の対象でかつては太子講も盛んでした。

また玄翁はどんな作業にも必須の道具で毎日握る使い手の人生が詰まった道具です。指金も正確な作業には欠かせない、指物作業の原点です。

このような飾りを通して、長い長い木工の歴史に思いをいたすとともに、師でもある先考に感謝する機会にしています。

今年は暮れにいただいた見事な佛手柑と庭の藪椿を生けてみました。佛手柑はあるお茶人がお庭で丹精込めて育てたものです。

さて今年は午年。6回目の年男です。昨年は体調のこともあり思うように仕事が進みませんでした。今年こそは懸案の仕事に取り組みたいと思います。

その筆頭は何といっても、正倉院宝物「赤漆文欟木御厨子」の復元模造制作です。日本の木工史・工芸史の嚆矢として最重要な作品だと私は常に語ってきました。しかしこの作品の制作に耐える材になかなか巡り合えず、時間ばかり経ってしましたが、昨年ようやく入手できて仕事に踏み出すことができるようになりました。 

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工芸・Kôgeiの創造-人間国宝展-

クラロウォールナットの原木と私

(1980)

 

 

 

 変化に富んだ表情で知られるクラロ・ウォールナット材。米国カリフォルニアで良質な食用胡桃採取のために接ぎ木で育成された後、百数十年後に見事に美しい木目の木材に育った。現在では新たな入手は困難となったが、幸いにも若い頃手に入れた人の背ほどもある大きな丸太の最後の厚盤が今回の作品となった。材をブックマッチに開いたことで、使い勝手の良い方形のテーブルに仕上がった。脚部には桜材を用い天板との色の対照を楽しめる。少しずらした甲板と脚の様子から「八橋」と名づけた。

 家庭のダイニングテーブルとしても、役員室などのデスクとしても用途は広い。同じ材料で作った椅子も用意した。


工芸・Kôgeiの創造-人間国宝展-(会場リンク

 会 期:2025年4月3日~20日 11:00~19:00※最終日は17:00まで 

 会 場:セイコーハウス6階 セイコーハウスホール

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「木工藝学林清雅舎」展

 私が主宰する「木工藝学林清雅舎」が展覧会を開催します。是非ご高覧頂きたくご案内申し上げます。

 

  「木工藝学林清雅舎」展

   会期 2024年9月11日(水)~16日(月・休)

   時間 午前10時〜午後7時 ※最終日5時まで

   会場 日本橋三越本店6階美術特選画廊

 

 木工藝を研究し共に錬磨することを目的に5人の木工家を集め始まって早6年が経ちました。名称は一昨年の展覧会から正式に「木工藝学林清雅舎」とし、また今年からは女性作家3名が加わって多彩な顔ぶれとなりました。皆それぞれに活躍しだしたことは喜ばしい限りです。

 高度な木工藝を学ぶ場が、残念ながら日本にはありません。「木の国」と呼ばれるにもかかわらずです。人間国宝の任務の一つに後継者の育成がありますが、そこで言われるまでもなく、自分のやってきたことのいくつかでも若い方に伝え、連綿と伝わってきた日本の正統な木工の歴史を絶やさぬよう、何ができるか模索し取り組んできました。ですから新たに3人が、特にまだ日本では少ない女性作家が、加わったことはことのほかうれしいことで、刺激しあって精進していきたいものです。

 今回展には木工藝の新しい身近なアイテムの提案として「ペンケース」の競作、さらに工芸の基本形としての箱の一つとして「香盒」の競作、2種の競作が出陳されます。メンバーそれぞれの持ち味が発揮されることを願いました。また、この他大小90点余の作品が陳列されます。

 またかねてからの念願であった冊子の発行をいたします。各自が思いを文章化する機会として、作品とともに考えを述べています。こちらも是非ご一読いただきたく、会場にて販売させていただきます。

 皆様のご来場をお待ちしております。

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特別展「式年遷宮と日本伝統工芸」/伊勢・神宮美術館

 昨年の9月に始まった第70回日本伝統工芸展も、先月、九州福岡会場を最後に無事終了しました。今回は作品とともに一昨年に行った「木工芸伝承者養成研修会」の報告と成果物の展示もあり、思い出深い会となりました。多くのお客様にご覧いただき誠にありがとうございました。


 例年はこれでようやく作品が帰ってくるのですが、今回はさらに選抜展が開催されるため帰宅はもう少し先になりそうです。この選抜展は伊勢神宮美術館を会場として、日本伝統工芸展の70回の節目を記念して開催されるもので、いわゆる人間国宝の作品や受賞作、神宮ゆかりの作家の作品が展示されます。

 神宮と工芸作家は御神宝の製作などを通して深い関係があります。私たち工芸家が常に規範とする正倉院は、あたかも時を止めたかのように、宝物すなわち過去の偉大な作品をそのまま保存しています。対して神宮の宝物=御神宝は発祥の時期こそ同じくしますが、20年に一度すべてを新しく作り続けて常に新しい姿で今を迎えています。どちらも美の伝承、技の伝承にとって欠かせない稀有な存在なのです。 

 神宮の美しい森に包まれた静謐な美術館でゆっくりご覧いただきたくご案内いたします。

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特別展「式年遷宮と日本伝統工芸-不変のフォームと古からのアート-」|展覧会情報|神宮の博物館 (isejingu.or.jp)

展示作品 献保梨拭漆小箪笥『歌合』

 

会  場 神宮美術館展示室Ⅰ・Ⅱ(アクセス

会  期 2024年3月15日(金)-4月17日(水)

休  館  日  木曜日(祝日の場合はその翌平日)

入館時間 午前9時~午後4時30分(最終入館は午後4時まで)

主  催 式年遷宮記念神宮美術館

協  力 公益社団法人 日本伝統工芸会

後  援 三重県教育委員会・伊勢市・NHK津放送局・中日新聞社伊勢支局

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企画展「鉋台をつくる」/新神戸・竹中大工道具館

 新神戸は竹中大工道具館で、現在「鉋台をつくるー東京における台屋の成立と発展」と題する展覧会が5月19日まで開催されています。私も少し協力しているのでお知らせします。

 

 言うまでもなく鉋は木工作業の大切な、そして重要な道具です。削る作業は木工作の基本として、大工だろうと木工家だろうと木の工作に携わる人々にとって重要な工程だからです。しかしながら、今まで鉋と言えば、その刃を打った鍛冶の名は私たちの関心を集め、昔から名人が語り継がれてきた一方で、台が注目されることがありませんでした。いくら良い刃物でも台が無ければ文字通り台無しで、役にはたたないはずなのにです。


 今回はその「台を打つ=作る」人々に焦点を当てたユニークな展覧会です。過去、東京では人口が集中し鉋の需要も多いことにより、分業が進み、鉋台を打つ専門職が発達しましたが、外注は六分や八分の大型の平鉋などに限られ、私たち指物職が用いる小鉋や豆鉋、特殊な面鉋などの台は自ら作ることがほとんどでした。その後は、東京においても鉋を使う職人が急激に減少しその分業が成り立たなくなってきました。これからはまた鉋台は自作による時代になるのかもしれません。

 そんな時代の変わり目にあって普通の平鉋や特殊鉋の台入れに優れた職人の世界の紹介です。木工家はいなくはならないでしょうが、台屋は確実になくなる気配です。今、しっかり記憶と記録にとどめるためにもぜひご覧ください。

 私も過去、台屋さんに入れていただいた鉋や自作の小鉋類を何点か出陳しています。また図録に鉋台にまつわる文を書かせていただきました。合わせてご一読下さい。

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竹中大工道具館 | 鉋台をつくる―東京における台屋の成立と発展 (dougukan.jp)

会  期 2024年3月2日(土)~5月19日(日)

開催時間 9:30〜16:30(入館は16:00まで)

休 館 日  月曜日(祝日の場合は翌日)

主  催 竹中大工道具館

監  修 土田昇(土田刃物店店主)

協  力 小吉屋渡辺木工所、横堀樫材店

 

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